『価値観で自分を動かし、制約で創造する』HIUベーシックインカムレポート【10月】


堀江貴文イノベーション大学校(以下、HIU)で5名のメンバーを対象にベーシックインカム実験がスタートした。毎月HIUより10万円が支給され、メンバーはその資金を自身のアクティブな活動の為に使っていく。どう使うかはメンバー次第。果たしてどうなっていくのか!? 毎月レポートを掲載!

 

 

行動が続く人の共通点。自分のやる気の正体を見つける

「面倒なタスクを目の前にして、ついスマホをいじってしまう」。 そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。この厄介な先延ばし癖を克服し、あらゆる物事をゲームのように夢中で取り組めるように変える心理学的なアプローチが「ゲーミフィケーション」と呼ばれています。

私自身、幼い頃から「現実の作業がゲームになればいいのに」と考えていましたが、その具体的な方法論は曖昧なままでした。しかし、D-Labで紹介された47項目に及ぶ「ゲーミフィケーション・チェックリスト」の講義を視聴し、その考えは一変しました。

本レポートでは、私が学んだゲーミフィケーションに関する膨大な知識の中から、特に日常生活や仕事で応用しやすい核心部分を抽出し、読者がすぐに実践できる形で提示することを目的としています。

ゲーミフィケーションを設計するうえで最も重要なのは、「報酬」の設定です。しかし、単にポイントやバッジを用意するだけでは、人は長続きしません。真のモチベーションは、その人固有の「価値観」が満たされたときに生まれるからです。そこで私は、ゲーミフィケーションの実践に先立ち、自己省察――すなわち、自分自身の価値観を明確化することから始めました。

このとき使用したのが、80項目にも及ぶ価値観リストです。膨大な質問に答える作業は骨が折れましたが、その結果は驚くべきものでした。私の価値観の上位には、「冒険:新しい体験」「美的:美しいものを味わう」「ユーモア:物事の面白い側面を見る」がランクインしていたのです。

この結果は、私だけのオーダーメイドなゲーミフィケーション設計に直結します。例えば、単に「タスクを完了する」のではなく、「新たな知識という未開の地を冒険する」という物語を自分に設定する。作業記録はただのチェックリストではなく、見た目にも「美しい」フォーマットで可視化し、達成感を視覚的にも味わえるようにする。そして、もし失敗しても「レアな失敗パターンを収集した」とユーモアを交えて捉え、次の挑戦への糧にする。

このように、自己の価値観を理解することは、万人向けのテクニックを「自分だけの最強の武器」にカスタマイズするための設計図を手に入れることに他なりません。

価値観リストは、平時における自己理解のためだけでなく、人生の逆境においてこそ、その真価を発揮します。私の価値観リスト6位の「丈夫で強い身体を保つ」は、かつて右半身の自由を失った経験から生まれた、切実な願いそのものです。そして9位の「希望:ポジティブで楽観的であること」は、私のレジリエンス(精神的回復力)の源泉を端的に示しています。

医師から「一生車イス生活だ」と告げられた瞬間、家族は泣き崩れました。しかし、当の本人である私は、なぜ彼らがそこまで悲嘆に暮れるのか、すぐには理解できませんでした。これは単なる鈍感さではありません。絶望的な情報を受け入れてもなお、「物事はうまくいく」という根源的な楽観性が、悲しみという感情に優先する――それが私の認知システムの特性だったのです。

この「根拠なき希望」とも言える特性が、リハビリという長く過酷なプロセスを支え、結果的に「二足で歩く」という奇跡的な回復につながりました。つまり、私の回復の物語は単なる精神論ではなく、「希望」という価値観が行動(リハビリ)を継続させ、その積み重ねが現実を覆した実例だと言えます。

ゲーミフィケーション、価値観リスト、そしてこの壮絶な体験。 これらを通して私が学んだのは、自分を動かす「エンジン(価値観)」を知り、それを「遊び(ゲーミフィケーション)」の力で回し続ければ、人はどんな逆境からでも立ち上がれる、という再現性のある法則が存在するということです。

本レポートが、読者一人ひとりが自分自身の価値観を見つめ直し、日常や仕事、さらには逆境の中でも前に進み続けるための、ささやかなヒントになれば幸いです。

 

未来の実験室のようなホールで味わった没入感

「制約は、創造性の母である」という言葉を、私は身をもって体験することになりました。 舞台は、落合陽一氏監修の「__する音楽会」です。

コロナ禍の影響で閑散としたロビーとは対照的に、ホールの扉をくぐった瞬間、そこはまるで未来の実験室のようでした。観客席の間に鎮座するクレーンカメラ、静寂を守るために敷き詰められた黒いマット。これらは単なるオンライン配信のための機材ではありません。これから始まる体験が、旧来の音楽会の常識から大きく逸脱したものであることを示す、明確なサインに思えました。

やがて演奏が始まると、その内容は私の予想をはるかに超えるものでした。「ソーシャルディスタンス」という、音楽家にとっては致命的とも思える物理的な制約。しかし彼らは、その制約を逆手に取りました。奏者が客席を360度取り囲むという、前代未聞のフォーメーションを組んだのです。

結果として生まれたのは、単なる音楽鑑賞ではありません。「音楽の内部に没入する」という、全く新しい体験でした。右の耳からは弦楽器の繊細な響きが、左の耳からは管楽器の力強い咆哮が直接流れ込み、脳は情報の洪水に晒されます。指揮者の微かな息遣いすらも、一つの音として身体に突き刺さる。これはもはや、音楽を「聴く」体験ではなく、音楽そのものに「なる」ような感覚でした。

この日、私は確信しました。逆境とは、終わりの始まりではない。むしろそれは、既存のルールを壊し、誰も見たことのない新しい価値を創造するための、最高の触媒なのだということを。

 

人と会う意味が腑に落ちた日

今月も、HIUなどDMMオンラインサロン入会継続¥11,000-をはじめ、ブロマガ「堀江貴文のブログでは言えない話」¥880-、クラシック音楽専門音楽配信サービス「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」¥2,035-、知識のNetflixを目指す「D-Lab by メンタリストDaiGo」¥906-、あらゆる領域の映像制作を後押しするオンライン・コミュニティ「UMU TOKYO」¥2,700-、グラフィックデザイン及び動画編集、ウェブデザインのアプリケーションソフトウェアを利用できる「Adobe Creative Cloud」¥6,248-に使用する。

人はなぜ他者との交流を求めるのか。10月、人と会う機会が極端に減った状況の中で参加した一つのパーティーが、その問いへの答えを明確に示してくれました。それは単に「誰かと話すと楽しい」といった表層的なレベルの話ではありませんでした。

この日の満足度の根源を振り返って分析すると、二つの明確な「布石」があったことに気づきました。一つは、9月まで取り組んでいた「6週間人生改造プログラム」という自己投資。もう一つは、パーティーに手作りの「肉サラダ」を持参したという他者への貢献(GIVE)です。

パーティーという場で、私は二種類の「報酬」を得ることになりました。自己投資の結果として「痩せたね!」と外見の変化を承認されたこと。そして他者貢献の結果として「すごく美味しい」と感謝の言葉をもらったことです。これらは心理学でいう「社会的報酬」にあたり、人間のモチベーションを強力に駆動させる要因だと考えられます。

つまり、この日の高揚感は偶然の産物ではありませんでした。 「①自分を磨くための自己投資」→「②他者に貢献する機会」→「③他者からの承認・感謝という社会的報酬」→「④さらなる行動へのモチベーション(次は何を作ろうか)」 この流れが成立した結果として、いわば“幸福のスパイラル”が形成されていたのです。

もし「人と会っても楽しくない」「孤独でやる気が出ない」と感じているのだとしたら、それはこのサイクルのどこかが欠けているだけかもしれません。単に人に会うのではなく、自分を磨き、何かを与えられる準備をしてから会ってみる。幸福とは、そうしたプロセスを通じて、ある程度は戦略的に構築できるものだと実感しました。

 

レポート執筆者:床次 佳浩 / Yoshihiro Tokonami
https://x.com/MrTokosmusiclab
編集:D-Lab AIチャンネル「D-Lab AI」
https://daigovideolab.jp/ai/landing
校閲:OpenAI「ChatGPT Pro」
https://openai.com/ja-JP/chatgpt/overview/